田中ひろし法律事務所のBlog
2015年4月28日 火曜日
選挙カーは違反ではない?
こんにちは、田中ひろし法律事務所です。
統一地方選は後半戦も週末で決着がつき、
街もすっかり静かになりましたね。
さて、今回は選挙カーの話題です。
選挙カーの音が聞こえてくると投票に行かなきゃと思う、という人も
いますよね。
風物詩のようなものでもあり、選挙を盛り上げるという意味では
とても大事な手段ではありますが、小さなお子さんのいるご家庭や
試験勉強中の方、夜勤などで日中に睡眠をとる方には
正直なところ迷惑にも感じられたのではないでしょうか。
近年は騒音規制法の効果か、工事現場や高速道路なども
ずいぶん静かになりました。
繁華街など一部の場所を除けば、街中で大きな音を耳にする機会は
だいぶ減りましたね。
数年に1回の選挙で、街頭演説や選挙カーをつい「うるさい」と
思ってしまう人がいるのも無理はありません。
が、実は選挙運動は騒音規制法の規制対象ではないのです。
騒音規制法は主に工場や建設作業の現場などの騒音に関わるもので、
自動車騒音や深夜騒音などに関しては市町村長、地方自治体が
規制するとされています。
では地域の条例のほうは?というと...
私たちの住む熊本県には
拡声機による暴騒音の規制に関する条例
という条例がありますが、この中に
条例の規定は
「公職選挙法(昭和25年法律第100号)の定めるところにより
選挙運動又は選挙における政治活動のためにする拡声機の使用」
については適用しないと書かれています。
また、東京都の拡声機による暴騒音の規制に関する条例には
もっとわかりやすく
「拡声機の使用は、政治活動等における表現の伝達等のための
重要な手段でもあるのであって、法令及び健全な社会常識の
範囲内で行われるものが不当に制限されることがあってはならない」
とあります。
つまり、選挙運動のための拡声器の使用は「騒音」とは
みなされないんですね。
ただし、選挙カーは繁華街だけでなく住宅街もたくさん通るので、
地域住民の迷惑にならないよう、公職選挙法によって次のように
決められています。
・午前8時から午後8時までの間に行うこと
・学校および病院、診療所その他の療養施設の周辺では静穏を保持する
これらの決まりを守って活動している場合、選挙運動を故意に妨げると
妨害行為と見なされて逮捕されてしまうこともあります。
今回も、岡山市議選の候補者が乗る選挙カーの進路を妨害したとして
男性が逮捕されるというニュースがありました。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/161636
どうしても静かにしてほしい!という時でも、
苦情の伝え方には注意が必要です。
と、法律上は違反にはならない選挙カーですが、
やはり好ましく思わない人が一定数いるのも事実。
あまり時代に合わなくなってきた印象は否めません。
公職選挙法が改正され、インターネットを使った選挙運動が
できるようになりましたから、もし、
「選挙カーよりインターネットのほうが効果がある!」
となったら...
選挙カーの姿を見なくなる日も案外近いのかもしれません。
統一地方選は後半戦も週末で決着がつき、
街もすっかり静かになりましたね。
さて、今回は選挙カーの話題です。
選挙カーの音が聞こえてくると投票に行かなきゃと思う、という人も
いますよね。
風物詩のようなものでもあり、選挙を盛り上げるという意味では
とても大事な手段ではありますが、小さなお子さんのいるご家庭や
試験勉強中の方、夜勤などで日中に睡眠をとる方には
正直なところ迷惑にも感じられたのではないでしょうか。
近年は騒音規制法の効果か、工事現場や高速道路なども
ずいぶん静かになりました。
繁華街など一部の場所を除けば、街中で大きな音を耳にする機会は
だいぶ減りましたね。
数年に1回の選挙で、街頭演説や選挙カーをつい「うるさい」と
思ってしまう人がいるのも無理はありません。
が、実は選挙運動は騒音規制法の規制対象ではないのです。
騒音規制法は主に工場や建設作業の現場などの騒音に関わるもので、
自動車騒音や深夜騒音などに関しては市町村長、地方自治体が
規制するとされています。
では地域の条例のほうは?というと...
私たちの住む熊本県には
拡声機による暴騒音の規制に関する条例
という条例がありますが、この中に
条例の規定は
「公職選挙法(昭和25年法律第100号)の定めるところにより
選挙運動又は選挙における政治活動のためにする拡声機の使用」
については適用しないと書かれています。
また、東京都の拡声機による暴騒音の規制に関する条例には
もっとわかりやすく
「拡声機の使用は、政治活動等における表現の伝達等のための
重要な手段でもあるのであって、法令及び健全な社会常識の
範囲内で行われるものが不当に制限されることがあってはならない」
とあります。
つまり、選挙運動のための拡声器の使用は「騒音」とは
みなされないんですね。
ただし、選挙カーは繁華街だけでなく住宅街もたくさん通るので、
地域住民の迷惑にならないよう、公職選挙法によって次のように
決められています。
・午前8時から午後8時までの間に行うこと
・学校および病院、診療所その他の療養施設の周辺では静穏を保持する
これらの決まりを守って活動している場合、選挙運動を故意に妨げると
妨害行為と見なされて逮捕されてしまうこともあります。
今回も、岡山市議選の候補者が乗る選挙カーの進路を妨害したとして
男性が逮捕されるというニュースがありました。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/161636
どうしても静かにしてほしい!という時でも、
苦情の伝え方には注意が必要です。
と、法律上は違反にはならない選挙カーですが、
やはり好ましく思わない人が一定数いるのも事実。
あまり時代に合わなくなってきた印象は否めません。
公職選挙法が改正され、インターネットを使った選挙運動が
できるようになりましたから、もし、
「選挙カーよりインターネットのほうが効果がある!」
となったら...
選挙カーの姿を見なくなる日も案外近いのかもしれません。
投稿者 弁護士法人田中ひろし法律事務所